多汗症

多汗症とは?

多汗症は、特に外気温が暑かったり、運動をしたわけでもないのに、異常な程の汗をかいてしまう症状のことをいいます。自分は単なる汗かきだと思って、受診する人が少ない病気だと言われています。ですが明らかに生活に支障が出ている人も多く居ます。恥ずかしがらずに病気のことをちゃんと知り、治療することが大切です。

この記事ではその多汗症の症状や原因、治療法についてご紹介したいと思います。

 

多汗症の症状とは?

多汗症とは外気温に関係なく、汗が過剰に分泌されてしまう状態です。人は緊張すると、普段よりも汗をかいてしまうものですが、多汗症の方は汗がぽたぽたと垂れてくるなど、他の人の目から見てもその症状は顕著です。

もっと症状がひどくなると、汗で書類やノートが破れるくらいまでビチョビチョになってしまったり、手汗でPCが壊れてしまうこともあるそうです。

 

どこから汗がでてくるの?

手や足、額や脇など全身の症状として現れる多汗症。

人体で汗が出てくる場所は2つ。

・アポクリン汗腺

・エクリン汗腺

という2つの汗腺から汗は出ています。

この2つの汗腺の内、エクリン汗腺から出る汗が多汗症に関係しています。ではこの2つの汗腺から出る汗はどのように違うのでしょうか?

 

 

アプクリン汗腺から出る汗

アポクリン汗腺から出る汗はベタベタしてニオイを発するのが特徴です。動物は異性にアピールするためにニオイを発するものが多く、このアポクリン汗腺はその時の名残だと言われています。鼻・耳・ワキ・おへそ周り・デリケートゾーンなどに、このアポクリン汗腺は集中しています。

発汗には「アドレナリン」という興奮物質が影響しているとされます。これは感情の激しい起伏によって分泌されます。そしてアドレナリンが分泌されることによって、アポクリン腺からニオイのある汗が出てくるのです。汗の成分にはタンパク質が多く含まれています。このタンパク質が皮膚の常在菌によって分解されると、ニオイが出てきてしまうのです。

 

エクリン汗腺から出る汗

エクリン汗腺から出る汗は、サラサラしているのが特徴です。この汗は体温調節の為に役立っています。暑いと感じた時には、この汗腺から汗が吹き出し熱を下げてくれるのです。この汗腺は全身の皮膚に有り、とくに手・足・ワキ・額に集中しています。

 

このエクリン汗腺は自律神経と密接な関係があります。自律神経には「交感神経」と「副交感神経」という2つのモードがあります。これはそれぞれ、アクティブな時と、リラックスしたい時のモードです。この内、交感神経の信号によってエクリン汗腺から発汗する仕組みになっています。

 

多汗症の原因の中には、緊張や精神的ストレスによるものが含まれています。その為、この交感神経が刺激されると、過剰にエクリン汗腺から汗が出てしまうとされています。

 

 

どんな症状が多いの?

多汗症の症状には、全身性多汗症と局所性多汗症の2種類があります。全身性多汗症はその名の通り、全身に多量の汗をかく症状のことをいいます。局所性多汗症は、手や足など、特定の部位にだけ多量の汗をかく症状のことをいいます。

局所性多汗症は場所によって病名が変わります。主なものが以下になります。

 

・手掌多汗症(しゅしょうたかんしょう)

手のひらに多く汗をかく症状のことです。

幼少期から思春期に発症することが多いといわれています。ひどくなると、汗でノートやプリントが破れてしまい、勉学に支障をきたす場合があります。

また友人にも汗のことを指摘され、傷つく方が多いです。この手掌多汗症は精神的なストレスや緊張がキッカケのことが多いため、こういったストレスで更に発汗がひどくなってしまう場合もあるようです。

 

・足蹠多汗症(そくせきたかんしょう)

足の裏に多く汗をかく症状です。

足の裏はただでさえ蒸れやすいところですので、ニオイやかゆみが発生したりします。常に足の裏のことが気になってしまい、仕事や勉学に身が入らなくなることも多いようです。

 

・頭部多汗症(とうぶたかんしょう)

頭部から多く汗をかく症状です。

青年期に発症し、男性に多いと言われています。頭部多汗症になると髪全体が濡れたようになってしまい、汗がポタポタと落ちてくるほど目立つこともあります。その為、症状がひどくなると、人目が気になってしまい外出出来ないほど悩んでしまう人も居ます。

 

・顔面多汗症(がんめんたかんしょう)

顔面から多く汗をかく症状です。

こちらも青年期の男性に多い症状といわれています。顔面から汗が滴り落ちるように流れるため、とても目立ちます。その為、頭部多汗症と同じく人目が特に気になり、外出が困難になる人もしばしばです。

 

・腋窩多汗症(えきかたかんしょう)

ワキの下から多く汗をかく症状です。

ワキ汗は専用のパットもあるくらいメジャーな悩みですが、多汗症になるともっと深刻です。洋服の汗ジミが常に気になり、着る服が限られてしまいます。またビショビショになってしまうくらい重い症状の方もいます。

 

・味覚性多汗症(みかくせいたかんしょう)

他の多汗症とは少し違い、食事の時に起こる多汗症です。

人は熱いものや辛いもの、酸っぱいものを食べると鼻や額などに汗をかきます。これ自体は正常な反応なのですが、味覚性多汗症は嗅覚神経への刺激が過度に働きすぎ、食事の度に異常な程の汗をかいてしまいます。鼻や額だけではなく、ワキの下、背中などの他の部位からも多量の汗が出てしますことがあります。

 

 

多汗症の原因って何?

多くの人を悩ませる多汗症の原因とは何なのでしょうか。多汗症には原因となる病気がある「続発性多汗症」と、原因となる病気がない「原発性多汗症」の2種類があります。続発性多汗症の場合は、元となっている病気を治療すればいいのですが、原発性多汗症の場合は原因がはっきりしないことも多くなっています。

ですが最近では、精神的なストレスが原因ではないかと言われています。次に、それぞれの多汗症についてご紹介いたします。

 

 

・続発性多汗症の原因

続発性多汗症の原因には様々な病気が考えられます。

循環器や中枢神経の疾患や、代謝異常、内分泌異常の病気などです。これらの病気は全身多汗症にかかることが多く、局所性多汗症になることは稀だとされています。

具体的な病名は、甲状腺機能亢進症・末端肥大症・糖尿病・急性リウマチ・結核・低血糖などが挙げられます。

また脳梗塞や、事故などで神経系にダメージを受けた場合も多汗症になる可能性があります。これは、脳や神経系にダメージを受けると、エクリン汗腺を司る交感神経にもダメージを受ける場合があるからです。

そのほかは、薬の副作用や科学物質の中毒などでも、多汗症の症状が現れることがあります。

 

 

・原発性多汗症の原因とは?

原発性多汗症には原因となるはっきりとした病気がないことが特徴です。しかしその中でも精神的なストレスになるものが原因ではないかといわれています。以下では多汗症の原因となりうるものを紹介します。

 

『精神的な不安や緊張』

人は緊張したり、不安を強く感じると交感神経が優位になります。すると、汗腺の動きが活発になり発汗が促されます。元々あがり症だったり、交感神経の方が優位な方はこれらが原因で多汗症になりやすいと言われています。

 

『ホルモンバランスの乱れ』

特に女性に多い原因と言われているのがこちらです。ホルモンの分泌は脳の視床下部という場所でコントロールされています。そこで同時に交感神経もコントロールされているので、ホルモンバランスが乱れると同時に自律神経も乱れてしまいます。

その結果、交感神経が乱れ、多量の汗が出てしまう場合があります。女性は月経や妊娠などがあり、特にこのホルモンバランスの影響を受けやすいと言われています。

 

『更年期障害』

上記のホルモンバランスの乱れに関係するのが、更年期障害です。更年期障害は、主に加齢によってホルモンバランスが乱れることによって起こる様々な症状のことをいいます。

この更年期障害の1つに多汗症が挙げられます。

症状は「ホットフラッシュ」と言われ、閉経後の女性の40~80%にこの症状が見られるとされています。この症状になると、特に周りが暑くなくても、ダラダラと汗をかき、のぼせるような症状がでてしまうことが特徴です。

 

『食生活の乱れ』

熱いものや辛いものを食べて汗をかくのは正常なのですが、これも過剰になると味覚性多汗症の原因になると言われています。

また肥満も原因の1つと言われています。たばこに含まれるニコチンも、交感神経を刺激してしまうので、過剰に摂取すると、多汗症の原因になると言われています。

 

『遺伝』

多汗症の直接的な原因とは違いますが、神経質だったり緊張しやすいといった性格は遺伝することもあります。多汗症は幼少期の頃より自覚することもありますが、乳幼児の時点ですでに発症している場合、遺伝の可能性も捨てきれません。

 

 

原発性多汗症の見分け方は?

自分は単なる汗かきなのか、それとも原発性多汗症なのか。病院に行くのが一番ですが、簡単にできるセルフチェックがあります。

 

  • 日常生活に支障があるくらいの多量の汗が出る。
  • 最初に症状が出たのが25歳以下である。
  • 両手、両脇、両足など左右で同じ程度の量の汗をかく。
  • 睡眠中はその部分に汗をかかない。
  • 家族や親戚に多汗症の人がいる。
  • 1週間に1回以上は異常だと思われる量の汗をかく。

 

以上の内、2つ以上当てはまれば原発性多汗症の可能性があります。日常生活に支障がある程度というのは、以下のような状態を言うそうです。

・汗が気になって人間関係がうまくいかない

・汗を拭くためのハンカチやタオルなどが手放せない

・汗でノートや書類などの紙がふやけたり、破けたりして勉学や仕事がうまくいかない

・汗ジミが気になって着たいと思う服が着られない

 

これらの状態が続いた場合は、すぐに病院に行かれることをおすすめします。

 

多汗症を治療するには?

【何科を受診すればいいの?】

多汗症の治療は主に皮膚科で行っているところが多いようです。その他にも、美容外科や整形外科でも治療を行っているところがあります。

最近では多汗症の専門外来を設ける病院も増えてきています。不安でしたら、受診前に一度確認をされることをオススメします。

 

 

【原発性多汗症の治療方法は?】

原発性多汗症の治療法は以下のようなものがあります。

・心身治療

多汗症の方の場合「汗をかく」ということ自体に不安や恐怖をもってしまい、余計に汗をかいてしまうことがあります。そのような方には「精神安定剤」を処方したり、リラックスできる状態を意識的につくりだす「自律神経法」などで症状が改善されることがあります。

 

・薬物治療

薬物治療にも様々な種類があります。こちらではその代表的なものを紹介いたします。

 

【塩化アルミニウム外用療法】

皮膚に問題の無い方は、塩化アルミニウムを有効成分とする塗り薬を塗ります。多汗の気になる場所どこでも塗ることができますので、汎用性が高い方法です。

 

この塩化アルミニウムは、汗を出す管の細胞に作用します。そしてその管と塩化アルミニウムと皮膚の細胞が合体することにより、管を塞ぐ栓になります。そうして発汗を抑えることができるわけです。早ければ数日で効果が出てきます。

 

この方法は自宅で手軽に行うことができ、副作用も少ないことがメリットとしてあげられます。またどの年齢の方にも使うことができます。

 

デメリットは、効果が一過性の為、継続的な治療が必要になります。また保険が適用されません。費用は薬によっても異なりますが、平均して100gあたり1,000円前後のものが多いようです。

 

【A型ボツリヌス菌の毒素の注射】

毒素の注射ときくと怖いイメージがありますが、れっきとした治療法です。この毒素というのは、ボツリヌス菌が作り出すタンパク質のことです。最近では、美容外科のシワ取りにも使われているごく一般的な成分になります。

この注射を気になる部分にすることによって、交感神経の司令をブロックし、エクリン汗腺からの発汗を抑制してくれます。特にワキの下の汗に対し大きな効果を発揮します。

この注射のメリットは、10分~20分という短い施術時間で手軽に行うことができる点です。そして効果が数ヶ月から1年程長続きします。そして重度のワキの多汗症の方には保険が適用されます。

デメリットは、ワキ以外には保険が適用されない点です。足の裏や手のひらにもすることができますが、効果はワキほど長続きしません。また完治はしないので、効果がなくなる度に、施術をしなければいけません。

費用は医療機関によってかなり異なりますが、保険が適用される場合は両脇で1万~3万円程度、保険が適用されない場合は10万円以上の費用がかかることも珍しくありません。

ですが、一度打てば特に他にすることはありません。お手軽なのでやってみる価値はありそうです。

気になる痛みですが、「ちくっとした」という方から「結構痛い」という方まで様々な方の声を見かけます。ですが、病院では頼めば麻酔クリームを塗ってからの施術もしてもらえますので、一度聞いてみてはいかがでしょうか。

 

【飲み薬】

・神経遮断薬 「プロパンテリン」

発汗は交感神経の末端から出る「アセチルコリン」という神経伝達物質によって汗腺が刺激されて起こります。このプロパンテリンはそのアセチルコリンの放出を抑制して、汗の量を減らす効果が期待できます。

一般的に服用して20分程度で効果が現れて、3~4時間程度持続するとされています。しかし副作用で目の乾きやかすみ、便秘、眠気などの症状がでてくることがあります。

 

・「ポラキス」

こちらもアセチルコリンを抑制する飲み薬です。膀胱の収縮を抑える薬として使われていますが、同時に発汗を抑制する薬としても使用されます。こちらも副作用として口内の乾きと便秘などが報告されています。

 

【漢方薬】

多汗症の治療薬として、漢方薬も注目されています。漢方治療では発汗部位と、汗の出方は重視して症状にあったものを処方してもらえます。最近では漢方外来なども増えてきましたので、気軽に利用することができます。

 

「柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」

この漢方は特に多汗症の治療に多く用いられています。

便秘傾向があり、不眠、抑うつ気分のあるかたに処方されます。自律神経を整えることによって、発汗を抑えることができます。主な成分は、のぼせを改善することのできる桂皮、利尿作用のある茯苓(ぶくりょう)、鎮静作用のある竜骨などです。場合によっては大黄を含んでいる場合もあります。

 

 

「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」

イライラやのぼせの症状のある方に処方されます。気分がイライラしてしまうかたや、胃や胸の辺りがモヤモヤとするかたに向いている漢方です。

主な成分は黄芩(おうごん)、黄連(おうれん)で、こちらは消炎作用や、解熱作用があるとされます。冷え性の方には効果がないとされるので、飲む際には専門家の判断を仰ぎましょう。

 

「柴胡清肝湯(さいこせいかんとう)」

アレルギーのある方に処方されます。情緒が不安定な方の心を沈め、不眠や夜泣きなどの症状にも効果があります。また慢性の湿疹にも聞きます。

神経を落ち着けることで、発汗を抑制する効果が見込めます。

 

・電気治療

3つ目の治療方法は、「イオントフォレーシス」という方法です。

これは医療器具によって電流を流した水に、多汗が気になる手のひらや足の裏を浸す方法です。この時に流れる電流はとても弱いものなので、少しピリピリっとするかな? と感じる程度のものになります。

この方法は、水に電気を流すことで生じる水素イオンが汗をだす細胞に作用して、汗腺を小さくして汗を作りにくくしてくれます。

治療を週に1~2回、1回20分を8回程度続けると効果が見られると言われます。効果が出て、多汗の症状が軽くなってくれば週に1度程度の治療を定期的に続けていくことになります。

この治療のメリットは保険が適用されることと、手軽に治療を受けることが出来るという点です。また塩化アルミニウムなどの外用薬と並行して治療することができます。

デメリットは電気を流す治療ですので、妊娠をしている方や、ペースメーカーを装着している方はこの治療を受けることが出来ません。また治療を受けられる部位が、手のひらや足の裏に限られます。また効果が持続しないので、定期的に通院する必要があります。

 

・手術

最後にご紹介するのは手術という方法です。

多汗症は交感神経が優位になってしまうことが原因と考えられています。ですので、多汗が気になる場所の交感神経を手術で切除するという方法があります。

この手術を「EST手術」や「胸腔鏡下胸部交感神経遮断術(きょうくうきょうかきょうぶこうかんしんけいしゃだんじゅつ)」と呼びます。

胸部外科や呼吸器外科で行われ、多汗症を完治させることができる方法です。内視鏡を使い、胸部にある交感神経を遮断する手術で、20~30分程度と比較的短い時間で終わる手術です。手術の痕はあまり残ることがなく、身体への普段も少ないとされています。基本的に入院する必要はありません。

メリットは、一度手術をすれば再発率が非常に低いことです(1~5%程度)。そして手のひらの多汗症には保険が適用されます。この手術をすることによって、ワキや額の汗も減ると言われています。

デメリットは「代償性発汗」という副作用が起きる可能性が高い点です。この代償性発汗とは、元々多汗症ではなかった場所の発汗が増加してしまう現象のことをいいます。また手が乾きすぎてしまう、というかたもいらっしゃるそうです。

この副作用が頻繁に起きてしまうため、手術には慎重を期する必要があります。患者の強い希望をもって行われますが、基本的には副作用の少ない手のひらのみに行われるのが一般的です。

手術費用は、保険適用で7~10万円ほどのところが多くなっています。

 

【多汗症の部位別治療法】

多汗症は色々な部位で発症する病気です。その部位によって使える治療法が違ってきます。下記で、部位別のオススメの治療法を紹介します。

 

・手のひらや足の裏

塩化アルミニウムの塗り薬の治療から始めます。

人によってはイオントフォレーシスの治療も並行します。効果がない場合は、ボツリヌスの注射を行います。それでも効果がなければ、手のひらに限りEST手術を行う場合もあります。

 

・ワキ

多くの方が悩む部位です。

こちらもまず塩化アルミニウムの塗り薬から治療を始めます。効果が見られない場合は、ボツリヌスの注射を行います。ワキが一番この注射の効果が高いとされています。効果が薄ければ、この2つの治療法を併用する場合があります。

 

・頭や顔

まずは塩化アルミニウムの塗り薬を試します。

効果がなければ飲み薬を併用します。それでも効果がない場合はボツリヌスの注射を行います。EST手術も可能とされていますが、重度の副作用の可能性があり、ほとんど行われていません。

 

多汗症まとめ

多汗症の症状や原因、治療法についてご紹介いたしました。多汗で悩んでいるかたは軽症の方も合わせると、日本で7人に1人はいるとされています。これだけ多くの方が悩んでいるにも関わらず、医療機関を受診される方はほんの一握りです。その中には、自分の症状を病気だと知らずに、うつ病を発症してしまう人もいます

 

多汗症は決して珍しい病気でも、恥ずかしい病気でもありません。まずは飲み薬や塗り薬からの治療もありますので、単なる汗かきだと諦めずに気軽に医療機関の門を叩いてみてはいかがでしょうか。

多汗症

多汗症に効く薬は一体どれか?

特別暑いわけでもないのに、ポタポタと滴り落ちる汗……。そんな汗が気になって人間関係が築けないほど、日常生活に支障が出ることがあります。それが多汗症です。

この記事ではそんな多汗症の治療に使われる薬を紹介いたします。

 

薬が必要な程の症状ってどんなもの?

自分が単なる汗かきなのか、それとも多汗症なのか。一番いいのは病院に行って相談することですが、セルフチェックをする方法もあります。以下がその項目になります。

 

  • 日常生活に支障があるくらいの多量の汗が出る。
  • 最初に症状が出たのが25歳以下である。
  • 両手、両脇、両足など左右で同じ程度の量の汗をかく。
  • 睡眠中はその部分に汗をかかない
  • 家族や親戚に多汗症の人がいる
  • 1週間に1回以上は異常だと思われる量の汗をかく

 

この内2つ以上当てはまれば多汗症の可能性があります。

ちなみに1番の日常生活に支障があるくらい、というのにも基準があります。こちらがその基準になります。

・汗が気になって人間関係がうまくいかない

・汗を拭くためのハンカチやタオルなどが手放せない

・汗でノートや書類などの紙がふやけたり破けたりして勉学や仕事がうまくいかない

・汗ジミが気になって着たいと思う服が着られない

これらの状態が続いているということは、かなり生活にも支障が出ていると思われますので、早めに病院を受診されることをオススメします。

 

多汗症の薬って何科にもらいに行けばいいの?

基本は皮膚科です。多汗症の症状は、軽度から重度にかけて皮膚科で見てもらうことができます。重症になると、手術という方法をとるかたもいらっしゃいます。其の場合は形成外科や、美容外科に受診しにいきます。

 

多汗症の薬ってどんなものがあるの?

多汗症の薬は飲み薬、塗り薬、注射などがあります。いずれも軽度から重度の多汗症の方に使用することができます。それではそれぞれの薬を詳しくご紹介いたします。

 

多汗症のお薬その1 飲み薬

・神経遮断薬 「プロパンテリン」

この薬は多汗症の治療薬として認可されているお薬です。発汗は交感神経の末端から出る「アセチルコリン」という神経伝達物質によって汗腺が刺激されて起こります。このプロパンテリンはそのアセチルコリンの放出を抑制して、汗の量を減らす効果が期待できる薬です。

一般的に服用して20分程度で効果が現れて、3~4時間程度持続するとされています。しかし副作用で目の乾きやかすみ、便秘、眠気、胃腸障害、尿が出にくくなるなどの症状がでてくることがありますので注意が必要です。

 

・「ポラキス」

こちらもアセチルコリンを抑制する飲み薬です。膀胱の収縮を抑える薬として使われていますが、それと同時に発汗を抑制する薬としても使用されます。

ですが、こちらも副作用として口内の乾きと便秘、尿が出にくいなどの副作用が報告されています。

 

【漢方薬】

多汗症の治療として漢方薬を用いることもあるようです。漢方の治療では、発汗状態を重視し、これによって患者を区別しています。具体的な区別方法は、発汗部位(全身、背部、頭部、手足)と汗の出方(無汗、漏汗、自汗)などで分けられます。続発性多汗症の原因となる病気があるものには、その疾患にあった治療が最優先となります。

 

・柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

この漢方は特に多汗症の治療に多く用いられています。比較的体力のある方に使用されます。便秘傾向があり、不眠、抑うつ気分のあるかたに処方されます。また腰から下がなんとなく重いという症状にも、この漢方薬を処方する目安になると言われています。自律神経を整えることによって、発汗を抑えることができます。

主な成分は、のぼせを改善することのできる桂皮、利尿作用のある茯苓(ぶくりょう)、鎮静作用のある竜骨などです。メーカによっては大黄を含んでいる場合もあります。

 

・柴胡清肝湯(さいこせいかんとう)

体力は中程度でアレルギーのある方に処方されます。情緒が不安定な方の心を沈め、不眠や夜泣きなどの症状にも効果があります。また慢性の湿疹にも聞きます。

消炎作用のある柴胡や薄荷(はっか)や連翹(れんぎょう)や栝楼根(かろこん)を含み、排膿作用のある桔梗(ききょう)と牛蒡子(ごぼうし)を配合している漢方薬です。発汗体質を改善する効果が期待されます。神経質で、情緒不安定、不眠などの症状がある方に処方されます。

 

・竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)

体力のある方に処方されます。排尿障害や、手のひらや足の裏に汗をかいたりする症状に処方されます。清熱作用のある竜胆(りゅうたん)、黄芩(おうごん)、山梔子(さんしし)などが配合されています。

 

・黄連解毒湯(おうれんげどくとう)

イライラやのぼせの症状のある方に処方されます。また出血傾向のある方にも処方されることがあります。気分がイライラしてしまう方や、胃や胸の辺りがモヤモヤとする方に向いている漢方です。消炎作用のある黄芩(おうごん)、黄連(おうれん)を配合しています。 冷え性の方には効果がないとされるので、飲む際には専門家の判断を仰ぎましょう。

 

・荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)

体力が中程度の方に処方します。手のひらや足のうらの発汗、筋肉の緊張がある場合に処方されます。

 

・防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)

体力の無い方に処方される漢方薬です。利水作用のある防已(ぼうい)と黄耆(おうぎ)が配合されており、むくみに効果があります。息切れしやすく、肥満の方によく処方されます。

 

・加味逍遥散(かみしょうようさん)

体力の無い方に処方されます。不定愁訴があるかたや、女性特有の気の落ち込みがある方によく処方されます。

漢方は色々な種類があり分かりにくいものもあります。最近では漢方外来や漢方専門医も増えてきていますので、漢方に興味のある方は一度受診してみてはいかがでしょうか。

 

多汗症のお薬その2 塗り薬

多汗症の治療に使われる塗り薬で一般的なのは、塩化アルミニウムが配合されているものです。この薬には年齢制限がないので、幼児期のお子さんから使用することができます。      主な薬は以下にご紹介します。

 

【塩化アルミニウム外用療法】

皮膚に問題の無い方は、塩化アルミニウムを有効成分とするこの塗り薬を使用します。多汗の気になる場所どこでも塗ることができます。この塩化アルミニウムは、汗を出す管の細胞に作用するお薬です。そしてその管と塩化アルミニウムと皮膚の細胞が合体することにより、管を塞ぐ栓になります。こうして栓をすることによりえい汗を抑えることができるわけです。

使用を始めてから早ければ数日、遅くとも数週間で効果が出てくるとされています。それ以上使用しても変化の無い方は、残念ながらこの方法は合わないということになります。

この薬は自宅で手軽に塗ることができ、副作用も少ないことがメリットとしてあげられます。デメリットは、効果が一過性の為、継続的に使用しなければいけないことです。また保険が適用されません。費用は薬によっても異なりますが、平均して100gあたり1,000円前後のものが多いようです。

 

【塩化アルミニウム外用制汗剤】

こちらは市販の制汗剤と似たような働きをします。違うのは、市販のものよりも配合されている成分が濃いことです。

使用方法は薬品を水やエタノールで薄めて皮膚に塗ります。塗り薬と同じく、一時的に汗腺の出口にある皮膚のタンパク質を固める作用があり、汗を出にくくする効果があります。

使用方法は、寝る時に多汗の気になる場所(手のひらやワキ)に塗り、起きたらしっかりと洗いながします。症状が重い方は、布手袋に薬品を染み込ませ、その上からゴム手袋で覆うという「密閉療法」を行うとより効果的です。ですが 人によってはかゆみやかぶれの症状が出ることもあるので気をつけましょう。

 

・パースピレックス

塗るタイプの制汗剤で、病院で処方されます汗を抑えたい部位に塗ると、上記の制汗剤と同じく汗腺の深部に栓をつくり発汗を抑制します。このパースピレックスは効果が長時間続くことが特徴です。なんと1回の使用で3~5時間も効果が持続するという優れものです。市販の制汗剤では抑制の難しい手のひらや足の裏の汗にも効果てきめんです。

また無香料タイプなので、学校でも会社でも気兼ねなく使うことができます。また衣類への色移りもありません。小学校低学年のお子さんにも使用できます。このパースピレックスは医薬品なので、処方には医師による診察が必要となります。

 

多汗症のお薬その3 注射

多汗症のお薬の3つ目はボツリヌス菌の毒素です。これを発汗の気になる場所に注射します。毒素ときくと怖いイメージがありますが、れっきとした治療法です。この毒素というのは、ボツリヌス菌が作り出すタンパク質のことです。最近では、美容外科のシワ取りやたるみ取りなどにも使われています。

この注射を汗の気になる部分にすることによって、交感神経の司令をブロックし、エクリン汗腺からの発汗を抑制してくれる効果があります。特にワキの下の発汗に対して効果が高いと言われています・

メリットは、10分~20分という短い施術時間で手軽に行うことができる点です。早い人では注射をした翌日から効果が表れ、通常でも3日くらいで効果が実感できるそうです。そしてその効果が数ヶ月から1年程長続きします

デメリットは、ワキ以外には保険が適用されない点です。また完治する治療法ではないので定期的に施術をする必要があります。

 

費用は医療機関によって異なりますが、保険が適用される場合は両脇で1万~4万円程度、保険が適用されない場合は10万円以上かかることもあります。

ですが、一度注射をすれば自分で他にすることはありません。とても手軽な方法なのでやってみる価値はありそうです。

気になる注射の痛みですが、「ちくっとした」という方から「結構痛い」という方まで様々な方の声があります。しかし、病院で局所麻酔や、麻酔クリームを塗ってからの施術もしてもらえますので、一度しっかり相談することをオススメします。

 

多汗症部位別おすすめのお薬

多汗症と一口にいっても、症状が出る場所は様々。そこで場所別にオススメの治療法とお薬をご紹介します。

 

・腋窩多汗症(えきかたかんしょう)のお薬

多くの方が悩む部位のワキです。こちらはまず塩化アルミニウムの塗り薬から治療を始めるのが一般的です。効果が見られない場合は、ボツリヌスの注射を行います。ワキが一番この注射の効果が高いとされているからです。それでも効果が薄ければ、この2つの治療法を併用する場合があります。2つを併用しても効果が見られない場合は、手術を選択肢に入れなければなりません。

 

・手掌多汗症と足蹠多汗症のお薬

この2つの部位は治療法が似ています。こちらもまず塩化アルミニウムの塗り薬の治療から始めます。人によってはイオントフォレーシスの治療も並行します。それでも効果がない場合は、ボツリヌスの注射を行います。注射の効果もなければ、手のひらに限りEST手術を行う場合もあります。

 

・頭部多汗症と顔面多汗症のお薬

まずは塩化アルミニウムの塗り薬を試します。効果がなければ飲み薬を併用します。それでも効果がない場合はボツリヌスの注射を行います。EST手術も可能とされていますが、重度の副作用の可能性があり、こちらの部位への手術はほとんど行われていません。

 

多汗症の薬まとめ

様々な多汗症の薬をご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。この中で1番効く! という薬は決めがたいものがあります。それはどの薬にもメリット・デメリットがあるからです。また薬は個人差がかなりあるため、他人に効いた薬が自分で使ってみたらいまいちだった……ということはよく有ります。

結局は副作用の問題もあるので、自分で試して見るしか無いのです。最近では多汗症もメジャーになり、多汗症外来も増えてきましたので、お医者さんに相談しやすい環境になってきています。どうしても恥ずかしい場合は、電話やメールで相談を受け付けているクリニックもあるようなので、そちらを利用してみるのも1つの手です。

 

いずれにせよ多汗症は一人で悩まず、専門のお医者さんに相談することが、完治への近道です。一度、勇気をだして病院へ行ってみてはいかがでしょうか。

多汗症

多汗症の原因は?

多くの人が悩んでいる多汗症。特に暑がりだというわけでもないのに、滝のような汗が止まらない……。それが気になって人と接するのが怖くなってしまう人もいます。

そんな原因とは何があるのでしょうか?

その様々な原因を調べてみました。

 

汗の出る仕組みとは?

人間が汗を出す場所は2種類あります。

・エクリン汗腺

・アポクリン汗腺

この2つのうち、多汗症に関係しているのはエクリン汗腺の方になります。

エクリン汗腺は身体が熱いと感じた時、体温を下げるために汗を出します。この時の汗は99%が水なので、サラサラしていてニオイが無いのが特徴です。

このエクリン汗腺は全身に存在していて、とくに手や足、額や脇に集中しています。

エクリン腺が発汗する仕組みは、自律神経が関わっています。この自律神経には、「交感神経」と「副交感神経」があります。この内交感神経が、エクリン汗腺を制御しています。

体温上昇や、緊張などのストレス、香辛料などの味覚刺激があるとこの交感神経が刺激され、発汗が促されます。

多汗症の原因は、この交感神経からの刺激がエクリン汗腺に過剰に伝わっている為だとされます。その為、多汗症の治療は、エクリン汗腺の刺激の伝達を鈍くしたり、遮断する方法が取られます。

アポクリン汗腺から出る汗はベタベタしてニオイがあるのが特徴です。

これは昔、フェロモンとして他の動物にアピールするためのニオイを出すための汗とされています。

このアポクリン汗腺は、ワキや耳、おへそ周り、外陰部などに集中しています。

このアポクリン汗腺の発汗には、興奮物質である「アドレナリン」が関係していると言われています。喜びや怒り、悲しみなど激しい感情の起伏があると、このアドレナリンが分泌され、アポクリン汗腺からの発汗が促されます。

このアポクリン汗腺からの汗がなぜ臭うのかというと、この汗にはタンパク質や脂質などの成分が含まれています。それをひふの常在菌が食べ、分解することによって臭いが出てきてしまうのです。

多汗症とは直接関係はありませんが、多汗症の方はこのアポクリン汗腺のからでる汗が原因のわきがに悩まされている方もいます。自分がどちらの汗が原因で悩んでいるか知ることも、治療の第一歩と言えます。

 

多汗症の原因には2種類

多汗症の原因は2つに分類されます。

それは原因となる病気がある「続発性多汗症」と原因となる病気のない「原発性多汗症」です。

原因となる病気のある続発性多汗症は、原因となる病気を治すことで多汗症は治ります。ですが、原発性多汗症は治す病気がないので、汗を抑える為の治療が必要になります。

では以下で「続発性多汗症」と「原発性多汗症」の原因をご紹介します。

 

続発性多汗症の原因その1 自律神経失調症

多汗症には原因となる病気が存在する場合もあります。その内の1つが自律神経失調症です。この病気の症状の1つに、多汗症が挙げられています。

この病気は他に、不眠・めまい・動機・偏頭痛・便秘・慢性的な疲労といった症状が伴います。

顔にだけ、手足にだけ、と局所的に汗をかくのが特徴とされます。

 

続発性多汗症の原因その2 バセドウ病

バセドウ病は、甲状腺ホルモンが大量に分泌され、全身の代謝が異常に高まってしむという病気です。このバセドウ病の症状のひとつに、多量の発汗があげられます。

バセドウ病になると食欲の増進、食事の量は増えたのに体重は減少する、暑くてしかたがない、などの症状が表れます。

またわけもなくイライラしたり、排便の回数が増えたりします。また動悸や手の震えが出る場合もあります。

外見上にも変化が表れ、目が飛び出ているように見えたり、首が腫れていたらバセドウ病の疑いがあります。

 

続発性多汗症の原因その3 糖尿病

異常なほど喉が渇く、体重の現象、トイレの回数が増えるなどの症状が表れたら糖尿病の可能性があります。

この時多量の発汗が伴うことがあります。このような症状と共に表れたら、一度糖尿病の検査を受けてみることをおすすめします。

 

続発性多汗症の原因その4 急性リウマチ

急性リウマチは、手や足、関節などが痛む病気です。細菌感染が原因で発症し、多量の発汗を伴います。

これらの痛みと、高熱が出た場合は急性リウマチの可能性があります。

また発熱する疾患なら、いずれも多量の汗をかく原因となります。

 

続発性多汗症の原因その5 脳や神経系のダメージ

脳梗塞や事故により、脳や神経系がダメージを受けると、エクリン汗腺を司る交感神経がダメージを受けてしますことがあります。すると全身で多汗の症状がでることがあります。

また耳の下にある「耳下腺」という神経の周辺がダメージを受けると、「Frey(フライ)症候群」という病気になってしまうことがあります。この病気になると、食事の際に耳の前の部分が赤くなったり、汗をかいたり、耳のまわりに多汗の症状がでることがあります。

以上の続発性多汗症の症状に当てはまらない場合、「原発性多汗症」の可能性があります。

原因となる病気のない原発性多汗症ですが、いくつかの原因が考えられますので、下記にご紹介いたします。

 

原発性多汗症の原因その1 ストレスなどの精神的要因

多汗症の方は精神的な問題を抱えていることがあります。元々あがり症の方だったり、交感神経の方が優位な方は多汗症になりやすいと言われています。

またこれは滴り落ちるほどの汗を他人に見られることや、手や足が常に湿っていることを指摘されたりして、他人との接触をおそれるようになります。それが、不安や恐怖となりますます発汗が止まらないという悪循環に陥っている方も少なくありません。

原発性多汗症の原因その2 食生活の乱れ

人は熱いものや辛いものを食べると汗がでます。これは正常な反応なのですが、過剰になると味覚性の多汗症になると言われています。

またタバコのニコチンや、コーヒーに含まれるカフェインは交感神経を刺激しますので、汗が出やすくなります。

また肥満になると、身体の中の熱をうまく体外に発散できなくなります。その為、多量の汗をかいて体温を調節しようとする機能が働いてしまうのです。

原発性多汗症の原因その3 ホルモンバランスの乱れ

ホルモンの生成は、脳の視床下部というところでコントロールされています。この部分と、発汗を司る交感神経は、脳の同じ場所にあります。なので、ホルモンバランスが乱れると同時に、交感神経のバランスもみだれ、多汗症になりやすいと言われます。

特に女性は、月経や妊娠、出産などがあり、このホルモンの影響を受けやすいと言われています。

原発性多汗症の原因その4 更年期障害

ホルモンバランスの乱れに関係しているのが、更年期障害です。

この更年期障害の1つに「ホットフラッシュ」という症状があります。これは閉経後の40~80%の女性に見られる症状です。この症状は、周りが特に暑くなくても、ダラダラと汗をかいてしまいのぼせるような症状がでてきます。

原発性多汗症の原因その5 遺伝

多汗症の直接的な原因とは言えませんが、緊張しやすい性格、神経質な性格などが遺伝したために、多汗症の原因となることもありえます。

 

多汗症のセルフチェック

以上が原発性多汗症で考えられる原因となります。

もっとはっきりさせたい! という方の為にセルフチェックする方法もあります。

 

  • 家族や親戚に多汗症の人がいる
  • 1週間に1回以上は異常だと思われる量の汗をかく
  • 両手、両脇、両足など左右で同じ程度の量の汗をかく。
  • 日常生活に支障があるくらいの多量の汗が出る。
  • 睡眠中はその部分に汗をかかない
  • 最初に症状が出たのが25歳以下である。

 

以上の内、2つ以上あてはまれば、原発性多汗症の可能性があります。

また「日常生活に支障がある程度」というのは、以下のような状態だとされています。

 

  • 汗を拭くためのハンカチやタオルなどがいつも手放せない
  • 汗でノートやプリント、書類などの紙がふやけたり、破けたりして勉学や仕事がうまくいかない
  • 汗がいつも気になって人間関係がうまくいかない
  • 汗ジミが気になって着たいと思う服が着られない

 

また

こういった症状が続き、日常生活が困難だと感じているなら、一度病院で相談されることをおすすめします。

 

患者さんの多い原発性多汗症は?

多汗症の症状の内、患者数が多いのはワキ・手足・頭部・顔面多汗症です。下記でそれぞれの多汗症についてご紹介します。

 

腋窩多汗症(えきかたかんしょう

ワキの下から多く汗をかく症状です。

ワキ汗は専用のパットもあるくらいメジャーな悩みです。しかし、多汗症になるともっと深刻です。洋服の汗ジミが常に気になり、着る服が限られてしまいます。ひどい方は服がビショビショになってしまうくらい重い症状が出る方もいて、外出が困難になる場合もあります。

思春期~青年期に発症される方が多いとされます。

 

手掌多汗症(しゅしょうたかんしょう)

手のひらに多く汗をかく症状です。

幼少期から思春期に発症することが多いといわれています。

ひどい症状の方は、滴る汗でノートやプリントや書類が破れてしまい、勉学や仕事に支障をきたす場合があります。

また友人にも汗のことを指摘され、傷つく方が多いです。

この手掌多汗症は精神的なストレスや緊張がキッカケのことが多いため、こういったストレスで更に発汗がひどくなってしまう場合もあるようです。

患者数の多いこの手掌多汗症は軽度と重度に分けられる基準があります。

「軽度の手掌多汗症」

健康な人と同じように手が乾いていることもあります。

しかし精神的に緊張すると、急に多量の汗を手のひらにかいてしまいます。そして手が滑り、ものがうまく持てなくなったりします。

発汗の量はそこまで多量ではなく、汗が滴りおちる程ではない場合が多いです。

「重度の手掌多汗症」

いつも手が湿っている状態です。その為いつも指先が冷たい状態です。

また手のひらから汗が滴りおちるほど、多量に発汗してしまいます。

重度の症状の方は、汗でパソコンなどの機械を壊してしまうこともあり、常にハンカチやタオルが手放せない状態となります。

 

足蹠多汗症(そくせきたかんしょう)

足の裏に多く汗をかく症状です。

足の裏はただでさえ蒸れやすいところですので、ニオイやかゆみが発生したりします。また雑菌が繁殖し、水虫になってしまう方もいます。常に足の裏のことが気になってしまい、仕事や勉学に身が入らなくなることも多いようです。

手掌多汗症と同時に発症する場合が多いとされています。

 

頭部多汗症(とうぶたかんしょう)

頭部に多く汗をかく症状です。

青年期に発症し、男性に多いと言われています。

この頭部多汗症になると髪全体が濡れたように見えてしまいます。そして汗がポタポタと落ちてくるほど目立つこともあります。その為、症状がひどくなると、人目が気になってしまうことが多く、外出が困難になる人もいます。

 

顔面多汗症(がんめんたかんしょう)

顔面から多く汗をかく症状です。

こちらも青年期の男性に多い症状といわれています。

顔面から汗が滴り落ちるように流れるため、とても目立ちます。その為、頭部多汗症と同じく人目が特に気になり、人間関係を築くことが困難です。

 

以上が患者数が多いと言われている多汗症の症状です。いずれも様々な原因が考えられ、自分に合った治療をすることが大切です。

 

多汗症の原因まとめ

以上のように多汗症の原因には様々なものがあることがわかりました。

原因がはっきりしている病気ですと、その病気を治せば多汗症は治ります。ですが原発性多汗症は原因がはっきりしないことも多く、発汗に対しての対処療法しかできない場合があります。

その場合には治療に時間がかかる場合があるので、足踏みをしているかたも多くいらっしゃいます。

実は日本人の7人に1人は多汗症で悩んでいると言われます。その中で汗がポタポタと滴り落ちるほどの重症の方は、80万人もいるとされます。ですが、病院を受診されている方はたったの6%ほどと言われています。

これは多汗症のことを単なる汗かきだと思い、病気だと思っていないからです。

ですが、日常に支障をきたすほどの多汗症は明らかに異常です。汗が気なって引きこもりやうつ病を発病される方もいらっしゃる程です。

決して恥ずかしい病気ではないので、1人でも多くの方が病院で相談をすることをオススメします。

多汗症

多汗症の治療方法を紹介!

多くの方がお悩みの多汗症。その治療法はどのようなものがあるのでしょうか。

病院の治療から、民間療法まで色々な治療方法をご紹介いたします。

 

多汗症は何科を受診すればいいの?

多汗症の治療を行っているところは皮膚科です。手術の場合は美容外科や形成外科に行くこともありますが、まずは皮膚科で相談してみましよう。

最近では多汗症の専門外来を設ける病院も増えてきました。もし受診が不安な場合は一度、電話で確認されることをおすすめします。

 

塗り薬での多汗症の治療

塩化アルミニウム外用療法

皮膚に問題の無い方は、塩化アルミニウムを有効成分とする塗り薬が処方されます。多汗症が気になる場所どこでも塗ることができますので、汎用性が高い方法です。

この塩化アルミニウムは、汗を出す管の細胞に作用します。そしてその管と塩化アルミニウムと皮膚の細胞が合体することにより、管を塞ぐ栓になります。そうして発汗を抑えることができます。早ければ数日~数週間で効果が出てきます。

この方法は自宅で手軽に行うことができ、副作用も少ないことがメリットとしてあげられます。またどの年齢の方にも使うことができます。また年齢制限がないため、子供の多汗症の治療にも使用することができます。

デメリットは、効果が一過性の為、継続的な治療が必要になります。また保険が適用されません。費用は薬によっても異なりますが、平均して100gあたり1,000円前後のものが多いようです。

 

塩化アルミニウム外用制汗剤

こちらは薬品を水やエタノールで薄めて皮膚に塗ります。塗り薬と同様に、一時的に汗腺の出口にある皮膚のタンパク質を固める作用があり、汗を出にくくします。

使用方法は、寝る時に多汗の気になる場所(手のひらやワキ)に塗り、起きたら洗い流します。多汗の症状が重い方は、布手袋に薬品を染み込ませ、その上からゴム手袋で覆うという「密閉療法」を行うこともあります。

人によってはかゆみやかぶれの症状が出ることもあるので気をつけましょう。

 

ボツリヌス注射での多汗症の治療

毒素の注射ときくと怖いイメージがありますが、れっきとした治療法です。この毒素というのは、ボツリヌス菌が作り出すタンパク質のことです。最近では、美容外科のシワ取りやたる矯正にも使われているごく一般的な成分になります。人体への悪影響はありません。

ボツリヌス注射を多汗が気になる部分にすることによって、「アセチルコリン」という神経伝達物質の分泌を抑制してくれます。そして交感神経からの司令をブロックし、エクリン汗腺からの発汗を抑えてくれるのです。ボトックス注射は狭い部分の多汗症に適しています。足の裏や手のひら、特にワキの下の汗に対し大きな効果を発揮します。

ボツリヌス注射のメリットは、10分~20分という短い施術時間で手軽に行うことができる点です。そして効果は2~3日程で表れ始め、数ヶ月から1年程長続きします。そして重度のワキの多汗症の方には保険が適用されます。

デメリットは、ワキ以外には保険が適用されない点です。足の裏や手のひらにもすることができますが、効果はワキほど長続きしません。また完治する治療ではないのでで、効果がなくなる度に、再び注射をする必要があります。

費用は医療機関によってかなり異なります。保険が適用される場合は両脇で1万~3万円程度、保険が適用されない場合は10万円以上の費用がかかることもあります。

しかし、一度打てば塗り薬の用に自分でやることはありません。お手軽なのでやってみる価値はあるといえます。気になる痛みですが、「ちくっとした」という方から「結構痛い」という方まで様々な方の声があります。ですが、病院では頼めば局所麻酔や、麻酔クリームを塗ってからの施術もしてもらえますので、相談することをオススメします。

 

イオントフォレーシスでの多汗症の治療

この方法は、多汗が気になる手のひらや足の裏をこれは医療器具によって電流を流した水に浸す方法です。この時に流れる電流はとても微弱なものなので、少しピリピリするかな? と思う程度です。

この方法がなぜ効くのかというと、水に電気を流すことで生じる水素イオンが汗をだす細胞に作用して、汗腺を小さくして汗を作りにくくしてくれるからです。

この治療を週に1~2回、1回20分を8回程度続けると効果が見られると言われています。効果が出て、多汗の症状が軽くなってくれば週に1度程度の治療を定期的に続けていくことになります。

この治療のメリットは保険が適用されるので治療費が安いことが挙げられます。医療機関よって異なりますが、大体1回600円~800円で治療をうけることができ、手軽に治療を受けることが出来るという点です。また塩化アルミニウムなどの外用薬と並行して治療することができます。

デメリットは電気を流す治療ですので、ペースメーカーを装着している方や、妊娠の疑いのある方はこの治療を受けることが出来ません。また治療を受けられる部位が、手のひらや足の裏など、水をつけられる場所に限定されます。また効果が持続しないので、定期的に通院する必要があります。

 

飲み薬での多汗症の治療

飲み薬を使って多汗症の治療をすることもあります。以下がその代表的な薬になります。

 

神経遮断薬 「プロパンテリン」

発汗は交感神経の末端から出る「アセチルコリン」という神経伝達物質によって汗腺が刺激されて起こります。このプロパンテリンはそのアセチルコリンを抑制して、汗の量を減らす効果があります。

一般的に服用して20分程度で効果が現れて、3~4時間程度効果が持続します。しかし副作用で目の乾きやかすみ、便秘、眠気などの症状がでてくることがあります。多汗症の症状が重度の方は、手術という方法もあります。手術は交感神経を切除するので、その効果は半永久的に続くと言われています。

ポラキス

こちらもアセチルコリンを抑制する飲み薬です。膀胱の収縮を抑える薬として使われていますが、どうじに発汗を抑制する薬としても使用されています。こちらも副作用として口内の乾きと便秘などが報告されています。

 

手術での多汗症の治療

多汗症の手術で今一番一般的なのが、「EST手術」や「胸腔鏡下胸部交感神経遮断術(きょうくうきょうかきょうぶこうかんしんけいしゃだんじゅつ)」とよ呼ばれるものです。

この手術は胸部外科や呼吸器外科で行われます

ワキの下の皮膚を数ミリ切開し、カメラのついたスコープを入れ、胸部にある交感神経を遮断する手術です。20~30分程度と比較的短い時間で終わる手術です。麻酔の準備なども合わせても一時間あれば終わってしまいます。

ワキの下を少しだけ切開するだけなので、手術の痕はあまり残ることがありません。身体への普段も少なく、基本的に入院する必要はありません。入院しても、手術当日1泊だけする方がほとんどです。

この手術のメリットは、一度手術をすれば再発率が非常に低いことです(1~5%程度)。そして多汗症の手術には珍しく、保険が適用されます。この手術をすることによって、手のひらだけではなくワキや額の汗も減ると言われています。

手術のデメリットは「代償性発汗」という副作用が起きる可能性が高い点です。この代償性発汗とは、元々多汗症ではなかった場所の発汗が増加してしまう現象のことをいいます。手のひらは乾いているのに、太ももや背中、お腹などが発汗してしまう症状です。

また手にまったく汗が出なくなるため、乾きすぎてしまう、というかたもいらっしゃるそうです。

この副作用が頻繁に起きてしまうため、手術には慎重を期する必要があります。基本的には塗り薬など他の治療を試した後、効果のなかった重度の患者さんが行う方法となります。患者の強い希望をもって行われますが、基本的には副作用の少ない手のひらのみに行われるのが一般的です。

手術費用は、保険適用で7~10万円ほどのところが多くなっています。

 

剪除法

ワキの下を3~5センチ程切開し、アポクリン汗腺と皮脂腺を1つ1つ手で取り除いていくという方手術方法です。

この手術方法は、ニオイの元となる汗が出るアポクリン汗腺を確実に除去できる方法です。多汗症の直接の原因であるエクリン汗腺を切除するわけではありませんが、アポクリン汗腺を取り除くことにより、確実に汗の量を減らすことができます

手術の時間は1時間程かかります。この手術を行う場合は、片ワキずつ行うことが望ましいとされています。それは、この手術を受けた後は出来るだけワキを動かさないように指導されますので、両脇を同時にすると、日常生活に支障をきたしてしまうからです。

気になる費用は自由診療なので30万円~程かかります。しかし、多汗症と同時にわきがだと診断されれば保険が適用になる場合もあります。この判断は医師によって異なりますので、医師と良く相談されることをオススメします。

 

ミラドライ

多汗症の新しい治療法として、切開しない手術方法として「ミラドライ」という方法があります。

ミラドライは、マイクロ波を皮膚の上から照射し、その熱によって汗腺を破壊する新しい治療方法です。皮膚を切らずに治療ができるので傷跡が残りません。ですので、切開が怖いと今まで手術を躊躇って居た方に注目されています。

ミラドライは、水分の多い汗腺をターゲットしにして、その汗腺付近にマイクロ波を照射することによって多汗症やわきがを治療します。汗だけを抑えたい方は浅い層に照射をし、臭いをもっとしっかりと抑えたい方は、深部のアポクリン汗腺やエクリン汗腺が集中する層へと直接マイクロ波を照射します。こうすることでアポクリン汗腺を破壊することができます。

こうして破壊された汗腺は再生しないので、その効果が半永久的に続くといわれています。

また照射中は同時に皮膚の表面を冷却しながら行うので痛みを感じることはほとんどないとされます。痛みが不安な方も、事前に局所麻酔をしてくれますので安心です。マイクロ波は水分のある汗腺に集中するので、他の皮膚の部分がほとんどダメージを受けないこともこのミラドライの特徴とされます。

治療時間は長くて1時間程度で、身体への負担も少なく、治療が終わってすぐ普通の生活に戻ることができます。

デメリットは保険が適用されないので費用が高価なことです。両ワキで1回25万~40万の費用がかかります。病院により2回の照射を推奨していますが、費用面を考えるとなかなか難しいものがあります。また導入している医院が少ないので、この治療法を受けるのは遠方まで出向かないといけない場合もあります。

 

精神治療での多汗症の治療

多汗症の方の場合「汗をかく」ということ自体に不安や恐怖をもってしまい、余計に汗をかいてしまうことがあります。そのような方には「精神安定剤」などを処方したり、リラックスできる状態を意識的につくりだす「自律神経法」などで症状が改善されることがあります。

 

多汗症の治療方法まとめ

以上が、現在一般的に行われている多汗症の治療方法になります。手軽に行えるものから、手術にいたるまで様々な方法があります。

まずは皮膚科に行き、塗り薬などの治療から始め、効果がなければ次の治療方法に移行するという方法が一般的なようです。

日本人は7人に1人が多汗症で悩んでいるのに、病院で診察を受けるのはたったの6%程といわれています。それだけ、自分はただの汗かきだから病気ではない、と考えている人が多いのです。

子供の多汗症の問題も深刻です。幼児期や思春期に、友達から汗について指摘されるのはとても恥ずかしいものです。そのまま不登校になっていしますこともあります。

決して珍しくも、恥ずかしくもない病気ですので、是非一度病院で診察を受け、自分に合った治療方法を見つけることをオススメします。

多汗症

多汗症は手術で治る?気になる金額や期間を紹介

多汗症を完治させる一番の方法は手術です。

発汗を促す交感神経を切除することによって、発汗はかなり減らすことができます。

でも手術と聞くとなんだか怖い……。そこで、この記事では多汗症を治す為の手術方法、そして金額や治療の為の期間をご紹介いたします。

 

手術で治せる多汗症の種類は?

多汗症は部位によってその名称が違います。

多汗症の手術では手のひらや脇の下、顔面などの多くの多汗症に効果があるとされます。

1ヶ所だけではなく、何ヶ所もの多汗症で悩んでいる人にとって手術はオススメの手段と言えるでしょう。

 

何科で手術が受けられるの?

多汗症の手術は皮膚を切開して行うので、皮膚科では行うことができません。美容外科や胸部外科、呼吸器外科などで外科的な手術を行うこととなります。

 

最近では多汗症の治療を専門とした外来も存在します。いずれにせ良くカウンセリングをうけて医師と信頼関係を築くことが重要です。

 

多汗症の手術の費用に保険は適用されるの?

手術となると気になるのはその費用ですよね。いくら決心して手術をすることを決めても、費用が高ければ二の足を踏んでしまうというもの。特に保険が適用されるかどうかは大事なところです。

 

ただ残念ながら、多汗症の治療は保険きく手術は少なめとなっています。ただ症状の重さによって保険が適用されることもあります。

同じ手術でも病院によって治療方針が違うこともありますので、諦めずに何ヶ所か周ってみることも大事だと思われます。

 

そして費用の面では保険診療が圧倒的に有利ですが、自由診療を選ぶことによって治療の選択の幅が広がることがあります。自由診療は確かに高価ですが、身体にふだんの少ない治療法を選ぶことができます。

また「治すこと」のみに特化した保険診療とは違い、自由診療なら見た目の美しさを重視することができます。美容外科の治療法なら、傷が目立たない方法やアフターケアが充実しているところも多く、仕上がりの美しさでは群を抜いていると言えるでしょう。

自分が何を重視したいかをよく考え、病院選びをすることが大切です。

 

どのような手術をするの?

最近注目されているのが「胸腔鏡下交感神経節遮断術」や「ETS手術」と呼ばれる内視鏡手術です。この手術は手のひらの多汗症である手掌多汗症や、顔面多汗症によって若干の手術方法の違いはありますが、内視鏡が入る位の小さな傷を皮膚につけて、そこにカメラのついた細い管を入れます。そしてカメラのモニターを見ながら手術する方法です。

 

手掌多汗症の内視鏡手術

内視鏡手術では、まずワキの下の皮膚を2~4ミリほどの小さな傷をつけます。そこからカメラのついた細い管をいれていきます。そこからモニター画面を見ながら背骨の近くにある交感神経を10ミリほど切除します。

手のひらに汗をだす交感神経は背骨の左右にあるので、同じ手術をもう片方のワキからも行います。

熟練の医師ですと両脇の施術でも15分程度で終わります。長くても1時間程度で済むことがほとんどです。

切開の傷がとても小さいので、手術の後が目立つことがなく、痛みを訴える方も少ない手術方法です。

また身体への負担が少ないので、手術を受けたその日に帰ることができます。

この手術で手の汗はほぼ100%止めることができるとされます。また効果も一生持続するといわれています。この手術を行うことにより、手のひらだけではなく、わき、首筋、顔面の汗が現象すると言われています。

手術後すぐに汗がとまる効果が実感できると言われています。指先に温かさを感じるという方もいらっしゃいます。

費用は保険が適用されれば7~10万ほどで行う事ができます。

腋窩多汗症(えきかたかんしょう)の手術

手のひらと同じく悩む人の多いワキの多汗症には別の手術方法もあります。

それがわきがの治療にも行われる「剪除法」と呼ばれる手術方法です。

ワキの下を3~5センチ程切開し、アポクリン汗腺と皮脂腺を1つ1つ手で取り除いていくという方法です。

この手術方法は、ニオイの元となる汗が出るアポクリン汗腺を確実に除去できる方法です。多汗症の直接の原因であるエクリン汗腺を切除するわけではありませんが、確実に汗の量を減らすことができます

 

手術の時間は1時間程度かかります。この手術を行う場合は、片方ずつ行うことが望ましいとされています。それは、この手術を受けた後は出来るだけワキを動かさないようにするのが望ましいので、両脇を同時にすると、日常生活に支障が出てしまうからです。

 

こちらは自由診療なので30万円程度の費用がかかります。しかし、わきがだと診断されれば保険が適用になる場合もあります。この判断は医師によって異なりますので、良く相談されることをオススメします。

 

アポクリン汗腺を取り除いても問題はないのか?

剪除法を受ける上で気になるのは、アポクリン汗腺を取り除いてしまったら今後の生活に影響はあるのかどうかだと思います。

結論から言えばありません。体温調節を司っているのはエクリン汗腺のほうなので、アポクリン汗腺を切除しても体温調節には全く問題ありません。

それにアポクリン汗腺はワキだけではなく、乳輪やおへそ周り、デリケートゾーンなどにも存在しています。この手術で全てのアポクリン汗腺を取り除くわけではないので、健康面への影響はないといっていいでしょう。

 

ミラドライ

ミラドライは、マイクロ波を皮膚の上から照射し、その熱によって汗腺を破壊する新しい治療方です。切らずに手術することができるので、傷跡が残らないので、今注目されています。

ミラドライは、水分の多い汗腺をターゲットしにして、その汗腺付近にマイクロ波を集中することによって多汗症やわきがを治療します。汗だけを抑えたい方は浅い層に照射をします。臭いをもっとしっかりと抑えたい方は、深部のアポクリン汗腺やエクリン汗腺が集中する層へと直接マイクロ波を照射し、アポクリン汗腺を破壊することができます。

こうして破壊された汗腺は再生しないので、その効果が半永久的に続くといわれています。

また照射中は同時に皮膚の表面を冷却しながら行うので痛みを感じることはほとんどないとされます。また事前に局部麻酔もするのでより安全です。

マイクロ波は水分のある汗腺に集中するので、他の部分がほとんどダメージを受けないことも特徴です。

治療時間は長くて1時間程度で、また身体への負担も少なく、治療が終わってすぐ普通の生活に戻ることができます。

デメリットは保険が適用されないので費用が高価なことです。両ワキで1回25万~40万円程度の費用がかかります。

 

手術の費用まとめ

多汗症の手術は自由診療のところが多いですが、中には保険が適用される手術もあります。そこで主流で行われている手術の費用と、それ以外の治療の費用をまとめました。

治療方法 費用
胸腔鏡下交感神経節遮断術 保険適用時は10万円程度
剪除法 保険適用時5万円前後、自由診療で20万~
イオンフォレーシス 保険適用時で1回700円程度
ミラドライ 30~35万
電気凝固法 3 ~10万

 

手術までの流れはどんな感じ?

手術までの流れがわからないと不安ですよね。最近では相談専用の電話番号やメールで相談できる病院も増えてきました。この項目では、手術までどういった過程があるのかをご紹介したいと思います。

初診

まずは多汗症の状態を診察してもらいます。そうして一人ひとりにあった治療法を決定します。ここでカウンセリングにたっぷりと時間をとってくれる病院もあります。ここで手術に向けての説明と注意をしっかりとしてもらいます。そうして手術が必要と判断されたら、手術日を決定します。この日に術前の検査を済ませる場合もあるので、時間に余裕をもって病院を訪れましょう。

手術日当日

胸腔鏡下交感神経節遮断術なら20分程度とされます。麻酔の準備や術後の覚醒じかんもありますので、1時間はみておいた方がいいと思われます。麻酔は全身麻酔で行うので、ちゃんと麻酔科医のいる大きな病院を選ぶと安心です。

およそ60%の方が日帰り手術をされ、残りの方は手術日に1泊します。

手術後

特に変わった症状はない場合は、そのまま普通の生活を送ることができます。ただその後の経過や副作用を調べる為に、3ヶ月から半年の間に一度来院してもらうこともあるようです。

手術後どのくらいの期間で普通の生活がおくれるの?

 

胸腔鏡下交感神経節遮断術の場合

切開する傷が小さいので、ほとんど痛みもなく手術の翌日から普通の生活を送る人もすくなくありません。また傷が小さいので、糸で縫うこともなく、抜糸もありません。

手術の翌日にはシャワーをあびることもできます。

 

剪除法の場合

安静にすることが必要です。安静にしないと患部に内出血が起こる場合があります。

力仕事で10日間、事務仕事でも7日間は安静にすることが求められます。

また手術後も通院が必要です。術後10日間で5回程度通院することが必要な場合があります。その後も月1度の通院を1年ほど続ける必要があります。

 

ミラドライの場合

切開を行わないので傷跡は残りません。

照射後に若干の痛みがある人もいます。また翌日から腫れる人もいるようです。患部に赤みが出る場合もありますが、多くの方が数日で消えるようです。

照射当日から動くことが出来ますが、激しい運動は禁止されています。

また治療後1~2日間は、アイスパックで患部を冷やすように指導されます。

 

手術に副作用はあるの?

多汗症に大きな効果を発揮する手術ですが、副作用がでる確率は高いと言われています。それが以下にご紹介するものになります。

 

代償性発汗

胸腔鏡下交感神経節遮断術を受けると、この代償性発汗が起こる場合があります。

これは手のひらからでる汗が減少したかわりに、身体の他の部分から発汗してしまうことがあります。よく見られる部分は胸やお腹、太ももや背中なども汗が増えることが多いとされます。この代償性発汗はかなりの確率で起こることが報告されているので、手術を受ける場合は、この代償性発汗をある程度覚悟していた方がいいと言われています。

手のひらの乾燥

胸腔鏡下交感神経節遮断術を受けると、手汗がぴたっと止まります。必要な汗までかかなくなってしまうので、手が乾燥してしまう方が多いです。特に冬場は乾燥し、手にひび割れの症状を感じる方もいらっしゃいます。

味覚性発汗症

熱いものや辛いものを食べると、鼻の頭や額に汗が滲み出ることがあります。手術をするとこの味覚性発汗がおかしくなる方がいらっしゃいます。これはお菓子などの甘いものを食べても、汗が出るようになってしまう症状です。

再発の危険

剪除法では熟練した医師でもアポクリン汗腺の全てを取り除くことは難しく、まれに再発の危険性があります。また自分が思っていたより無臭にならなかったなどの結果も報告されています。

 

手術は何歳からでも行えるの?

多汗症は遺伝や生活環境も影響しているので、子供のころから発症することもあります。子供は大人よりも熱がこもりやすいため、汗をかきやすいのです。

また思春期を迎えた子供にも多汗症の症状はでることがあり、多くの方が悩んでいます。

ですがやはり胸腔鏡下交感神経節遮断術はデメリットも多いので、ある程度の年齢になってから行うのが望ましいとされています。

もし子供で多汗症の症状に悩んでいるのなら、まずは塗り薬や飲み薬から試してあげるのがいいでしょう。

ただしミラドライなら高校生以上の子供に、親の承諾があれば施術することができます。これは切らない為、身体への負担が少ないと言われているからです。成長期を終えて汗腺の量が変わったら、再び施術を受けることも可能とされています。

 

多汗症の手術まとめ

以上のように多汗症を治すには様々な手術があります。

いずれもメリットやデメリットがあり、簡単には決められないという方がほとんどでしょう。ですがどれも効果が高く、どうしても多汗症を治したい! という方には手術は一番確実な方法と言えるでしょう。

多汗症の治療方法も増えており、昔ほど危険な手術ばかりではなくなってきました。

大事なのは価格だけではなく、安全性や仕上がりの美しさなど総合的に考えて判断することです。手術という方法は、心身ともに負担のある方法です。誰もが後悔のない結果をえられるように、自分でよく調べて医師と相談することが大事です。