多汗症

多汗症の治療方法を紹介!

多くの方がお悩みの多汗症。その治療法はどのようなものがあるのでしょうか。

病院の治療から、民間療法まで色々な治療方法をご紹介いたします。

 

多汗症は何科を受診すればいいの?

多汗症の治療を行っているところは皮膚科です。手術の場合は美容外科や形成外科に行くこともありますが、まずは皮膚科で相談してみましよう。

最近では多汗症の専門外来を設ける病院も増えてきました。もし受診が不安な場合は一度、電話で確認されることをおすすめします。

 

塗り薬での多汗症の治療

塩化アルミニウム外用療法

皮膚に問題の無い方は、塩化アルミニウムを有効成分とする塗り薬が処方されます。多汗症が気になる場所どこでも塗ることができますので、汎用性が高い方法です。

この塩化アルミニウムは、汗を出す管の細胞に作用します。そしてその管と塩化アルミニウムと皮膚の細胞が合体することにより、管を塞ぐ栓になります。そうして発汗を抑えることができます。早ければ数日~数週間で効果が出てきます。

この方法は自宅で手軽に行うことができ、副作用も少ないことがメリットとしてあげられます。またどの年齢の方にも使うことができます。また年齢制限がないため、子供の多汗症の治療にも使用することができます。

デメリットは、効果が一過性の為、継続的な治療が必要になります。また保険が適用されません。費用は薬によっても異なりますが、平均して100gあたり1,000円前後のものが多いようです。

 

塩化アルミニウム外用制汗剤

こちらは薬品を水やエタノールで薄めて皮膚に塗ります。塗り薬と同様に、一時的に汗腺の出口にある皮膚のタンパク質を固める作用があり、汗を出にくくします。

使用方法は、寝る時に多汗の気になる場所(手のひらやワキ)に塗り、起きたら洗い流します。多汗の症状が重い方は、布手袋に薬品を染み込ませ、その上からゴム手袋で覆うという「密閉療法」を行うこともあります。

人によってはかゆみやかぶれの症状が出ることもあるので気をつけましょう。

 

ボツリヌス注射での多汗症の治療

毒素の注射ときくと怖いイメージがありますが、れっきとした治療法です。この毒素というのは、ボツリヌス菌が作り出すタンパク質のことです。最近では、美容外科のシワ取りやたる矯正にも使われているごく一般的な成分になります。人体への悪影響はありません。

ボツリヌス注射を多汗が気になる部分にすることによって、「アセチルコリン」という神経伝達物質の分泌を抑制してくれます。そして交感神経からの司令をブロックし、エクリン汗腺からの発汗を抑えてくれるのです。ボトックス注射は狭い部分の多汗症に適しています。足の裏や手のひら、特にワキの下の汗に対し大きな効果を発揮します。

ボツリヌス注射のメリットは、10分~20分という短い施術時間で手軽に行うことができる点です。そして効果は2~3日程で表れ始め、数ヶ月から1年程長続きします。そして重度のワキの多汗症の方には保険が適用されます。

デメリットは、ワキ以外には保険が適用されない点です。足の裏や手のひらにもすることができますが、効果はワキほど長続きしません。また完治する治療ではないのでで、効果がなくなる度に、再び注射をする必要があります。

費用は医療機関によってかなり異なります。保険が適用される場合は両脇で1万~3万円程度、保険が適用されない場合は10万円以上の費用がかかることもあります。

しかし、一度打てば塗り薬の用に自分でやることはありません。お手軽なのでやってみる価値はあるといえます。気になる痛みですが、「ちくっとした」という方から「結構痛い」という方まで様々な方の声があります。ですが、病院では頼めば局所麻酔や、麻酔クリームを塗ってからの施術もしてもらえますので、相談することをオススメします。

 

イオントフォレーシスでの多汗症の治療

この方法は、多汗が気になる手のひらや足の裏をこれは医療器具によって電流を流した水に浸す方法です。この時に流れる電流はとても微弱なものなので、少しピリピリするかな? と思う程度です。

この方法がなぜ効くのかというと、水に電気を流すことで生じる水素イオンが汗をだす細胞に作用して、汗腺を小さくして汗を作りにくくしてくれるからです。

この治療を週に1~2回、1回20分を8回程度続けると効果が見られると言われています。効果が出て、多汗の症状が軽くなってくれば週に1度程度の治療を定期的に続けていくことになります。

この治療のメリットは保険が適用されるので治療費が安いことが挙げられます。医療機関よって異なりますが、大体1回600円~800円で治療をうけることができ、手軽に治療を受けることが出来るという点です。また塩化アルミニウムなどの外用薬と並行して治療することができます。

デメリットは電気を流す治療ですので、ペースメーカーを装着している方や、妊娠の疑いのある方はこの治療を受けることが出来ません。また治療を受けられる部位が、手のひらや足の裏など、水をつけられる場所に限定されます。また効果が持続しないので、定期的に通院する必要があります。

 

飲み薬での多汗症の治療

飲み薬を使って多汗症の治療をすることもあります。以下がその代表的な薬になります。

 

神経遮断薬 「プロパンテリン」

発汗は交感神経の末端から出る「アセチルコリン」という神経伝達物質によって汗腺が刺激されて起こります。このプロパンテリンはそのアセチルコリンを抑制して、汗の量を減らす効果があります。

一般的に服用して20分程度で効果が現れて、3~4時間程度効果が持続します。しかし副作用で目の乾きやかすみ、便秘、眠気などの症状がでてくることがあります。多汗症の症状が重度の方は、手術という方法もあります。手術は交感神経を切除するので、その効果は半永久的に続くと言われています。

ポラキス

こちらもアセチルコリンを抑制する飲み薬です。膀胱の収縮を抑える薬として使われていますが、どうじに発汗を抑制する薬としても使用されています。こちらも副作用として口内の乾きと便秘などが報告されています。

 

手術での多汗症の治療

多汗症の手術で今一番一般的なのが、「EST手術」や「胸腔鏡下胸部交感神経遮断術(きょうくうきょうかきょうぶこうかんしんけいしゃだんじゅつ)」とよ呼ばれるものです。

この手術は胸部外科や呼吸器外科で行われます

ワキの下の皮膚を数ミリ切開し、カメラのついたスコープを入れ、胸部にある交感神経を遮断する手術です。20~30分程度と比較的短い時間で終わる手術です。麻酔の準備なども合わせても一時間あれば終わってしまいます。

ワキの下を少しだけ切開するだけなので、手術の痕はあまり残ることがありません。身体への普段も少なく、基本的に入院する必要はありません。入院しても、手術当日1泊だけする方がほとんどです。

この手術のメリットは、一度手術をすれば再発率が非常に低いことです(1~5%程度)。そして多汗症の手術には珍しく、保険が適用されます。この手術をすることによって、手のひらだけではなくワキや額の汗も減ると言われています。

手術のデメリットは「代償性発汗」という副作用が起きる可能性が高い点です。この代償性発汗とは、元々多汗症ではなかった場所の発汗が増加してしまう現象のことをいいます。手のひらは乾いているのに、太ももや背中、お腹などが発汗してしまう症状です。

また手にまったく汗が出なくなるため、乾きすぎてしまう、というかたもいらっしゃるそうです。

この副作用が頻繁に起きてしまうため、手術には慎重を期する必要があります。基本的には塗り薬など他の治療を試した後、効果のなかった重度の患者さんが行う方法となります。患者の強い希望をもって行われますが、基本的には副作用の少ない手のひらのみに行われるのが一般的です。

手術費用は、保険適用で7~10万円ほどのところが多くなっています。

 

剪除法

ワキの下を3~5センチ程切開し、アポクリン汗腺と皮脂腺を1つ1つ手で取り除いていくという方手術方法です。

この手術方法は、ニオイの元となる汗が出るアポクリン汗腺を確実に除去できる方法です。多汗症の直接の原因であるエクリン汗腺を切除するわけではありませんが、アポクリン汗腺を取り除くことにより、確実に汗の量を減らすことができます

手術の時間は1時間程かかります。この手術を行う場合は、片ワキずつ行うことが望ましいとされています。それは、この手術を受けた後は出来るだけワキを動かさないように指導されますので、両脇を同時にすると、日常生活に支障をきたしてしまうからです。

気になる費用は自由診療なので30万円~程かかります。しかし、多汗症と同時にわきがだと診断されれば保険が適用になる場合もあります。この判断は医師によって異なりますので、医師と良く相談されることをオススメします。

 

ミラドライ

多汗症の新しい治療法として、切開しない手術方法として「ミラドライ」という方法があります。

ミラドライは、マイクロ波を皮膚の上から照射し、その熱によって汗腺を破壊する新しい治療方法です。皮膚を切らずに治療ができるので傷跡が残りません。ですので、切開が怖いと今まで手術を躊躇って居た方に注目されています。

ミラドライは、水分の多い汗腺をターゲットしにして、その汗腺付近にマイクロ波を照射することによって多汗症やわきがを治療します。汗だけを抑えたい方は浅い層に照射をし、臭いをもっとしっかりと抑えたい方は、深部のアポクリン汗腺やエクリン汗腺が集中する層へと直接マイクロ波を照射します。こうすることでアポクリン汗腺を破壊することができます。

こうして破壊された汗腺は再生しないので、その効果が半永久的に続くといわれています。

また照射中は同時に皮膚の表面を冷却しながら行うので痛みを感じることはほとんどないとされます。痛みが不安な方も、事前に局所麻酔をしてくれますので安心です。マイクロ波は水分のある汗腺に集中するので、他の皮膚の部分がほとんどダメージを受けないこともこのミラドライの特徴とされます。

治療時間は長くて1時間程度で、身体への負担も少なく、治療が終わってすぐ普通の生活に戻ることができます。

デメリットは保険が適用されないので費用が高価なことです。両ワキで1回25万~40万の費用がかかります。病院により2回の照射を推奨していますが、費用面を考えるとなかなか難しいものがあります。また導入している医院が少ないので、この治療法を受けるのは遠方まで出向かないといけない場合もあります。

 

精神治療での多汗症の治療

多汗症の方の場合「汗をかく」ということ自体に不安や恐怖をもってしまい、余計に汗をかいてしまうことがあります。そのような方には「精神安定剤」などを処方したり、リラックスできる状態を意識的につくりだす「自律神経法」などで症状が改善されることがあります。

 

多汗症の治療方法まとめ

以上が、現在一般的に行われている多汗症の治療方法になります。手軽に行えるものから、手術にいたるまで様々な方法があります。

まずは皮膚科に行き、塗り薬などの治療から始め、効果がなければ次の治療方法に移行するという方法が一般的なようです。

日本人は7人に1人が多汗症で悩んでいるのに、病院で診察を受けるのはたったの6%程といわれています。それだけ、自分はただの汗かきだから病気ではない、と考えている人が多いのです。

子供の多汗症の問題も深刻です。幼児期や思春期に、友達から汗について指摘されるのはとても恥ずかしいものです。そのまま不登校になっていしますこともあります。

決して珍しくも、恥ずかしくもない病気ですので、是非一度病院で診察を受け、自分に合った治療方法を見つけることをオススメします。